諏訪の中小企業グループ、野菜工場支援ビジネス (2010/9/3 日経新聞)

長野県諏訪地域の中小企業グループが「野菜工場」の支援ビジネスを始める。諏訪地域の遊休施設を活用した工場の建設を請け負うだけでなく、販売先の候補となる飲食店を紹介するなど運営にも協力する。9月中に茅野市の商業施設内にモデル工場をつくって顧客を開拓し、1年間で10件の受注を目指す。

 支援ビジネスを始めるのは諏訪菜(諏訪市、北沢敏明社長)。金型製造の旭(諏訪市)、プリント基板設計のエーピーエヌ(同)、樹脂成型のみやま(茅野市)がこのほど設立した会社だ。エーピーエヌは福島知子社長が食品メーカーにいた経験があり、野菜工場にも詳しいという。

 諏訪菜は野菜工場の運営者を募り、空き工場などを活用して野菜工場の建設を促す。受注した場合、水耕栽培の設備を自前でつくるほか、地元の建設業者や水道工事業者などの協力を得て施工する。設置費用は1坪(約3.3平方メートル)当たり30万円以下を予定する。

 野菜工場について「設置コストが坪単価100万円の施設もあり、赤字工場がほとんど」(福島社長)という。諏訪菜は低コストを売りに顧客を掘り起こす。希望者には栽培方法を指南するほか、販売先の候補となる飲食施設や宿泊施設を紹介する。

 事業開始に先立って、諏訪菜はJR茅野駅前の商業施設「ベルビア」の3階に約100平方メートルの野菜工場を設置する。サンチュやリーフレタスなどを栽培する予定で、今月中に稼働する。ガラス張りで外から見えるようにして来店者に野菜工場をアピールする。

 諏訪東京理科大学(茅野市)と共同で、発光ダイオード(LED)や太陽光発電システムを使った効率的な栽培方法を研究する拠点としても活用する。

 諏訪菜の北沢社長は「異業種の中小企業が連携することで新しい産業が生まれる。業種を問わず思いを共有できる人には諏訪菜グループに入ってほしい」と話す。事業ノウハウを県内の他地域や他県にも広げる考えだ。

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